TVision

活用事例

株式会社メルカリ

デジタルの当たり前が、テレビCMでも実現。
ユーザー獲得のために短期間でメディア枠、クリエイティブを最適化できました。

課題

テレビの到達効率を計ろうにも、手がかりがありませんでした。

導入の決め手

VI値、AI値というTVisionの新しい指標で、テレビCMの効果のあいまいさを払拭できると感じました。

導入後の効果
  • 「どのテレビ局」の「どの枠」に、「どんな視聴者がいるのか」「いつ画面に注目しているか」、データで一目瞭然になった
  • 月間数億円単位でテレビCMを出稿している中で、相性の合わない枠に出稿していた分を、データに基づいてより適した枠へ振り分けられるようになった事は大きな成果
  • クリエイティブに関して、改めて音の重要性が浮き彫りになった

2013年7月にリリースされたフリマアプリ「メルカリ」は、10~30代女性の圧倒的支持を得て、2017年6月に日米通算7500万ダウンロードを突破した。月間流通額は100億円にのぼり、いまや一大マーケットを形成している。そんなメルカリでは、これまでテレビCMに力を入れてきた。同社のマーケティング・プロモーション戦略の要である鋤柄直哉氏に、テレビCMに抱いてきた課題感や、TVision Insights(以下TVision)の活用法などを聞いた。

株式会社メルカリ マーケティンググループ シニアマーケティングスペシャリスト 鋤柄 直哉(すきがら なおや)さま

 

シーズンごとに起用タレントや出稿枠を試行錯誤

私たちが初めてテレビCMを実施したのは、サービスローンチから約一年後の2014年5月のことです。デジタルの会社として成長してきた当社ですが、テレビCMには早い段階から取り組んできました。

最初のテレビCMでは、若年層の間で大きなブームとなったリアリティ番組『テラスハウス』に出演していた筧美和子さん、菅谷哲也さんを起用しました。すると放映開始月に、デジタルマーケティングのユーザー獲得数は前月比の3倍を記録。改めてテレビというメディアの影響力の大きさを痛感しました。

それ以降、現在にいたるまで、起用タレントや出稿枠、ターゲット、クリエイティブをシーズンごとに細かく見直しながら、ベストな形を模索し続けています。比較的短期間でクリエイティブや訴求内容を変えているのは、テレビCMの目的がダウンロード数を増やすことと認知率をあげることだからです。ダウンロードという具体的なアクションを起こしてもらうためには、飽きられずに新鮮さを保つことが必要。ブランディングが目的なら同じタレントを起用し続けることも有効ですが、アクイジションを目的とするなら、いかに飽きられないテレビCMにするかを考え続けなければなりません。

 

その中で私たちが抱えてきたのは、視聴率だけでテレビCMを最適化するのは難しいという思いでした。テレビCMの評価指標は、いまだに視聴率に重点が置かれています。もちろん、それも大事な指標ですが、視聴率――すなわちテレビの電源のオン・オフだけで100%テレビCMの効果を判断できるとは思えませんでした。

CPAやビューアビリティなどさまざまな指標を数値化でき、コストの最適化が進んでいるデジタル広告に比べて、テレビCMはあいまいな点が多すぎると考えていました。

 

VI値、AI値という新しい指標でテレビCMのあいまいさを払拭

その頃出会ったのが、TVisionでした。話を聞いて、視聴者の自然な視聴態勢を計測したVI値(Viewability Index=滞在度)、AI値(Attention Index=注視度)が、視聴率のあいまいさや違和感を払拭してくれる新しい指標だと大きな期待を持ちました。15秒の放映時間のなかでVI値、AI値が上がる瞬間を可視化したグラフや、どの局のどの放映時間にターゲットがいるかひと目でわかるヒートマップにも、興味がわきました。

あるCMの毎秒AI値(注視度)を示すグラフ。このCMがどの瞬間に注目されているかがひと目でわかる

はじめて導入したのは、2016年1月、『売ルフ&買ウガール』シリーズの第2弾テレビCMの時です。徐々にサービス名の認知が増えてきたので、もう一歩踏み込んだプロモーションを展開したいと考えていた時期でした。そこで「自分ごと化」をキーワードに、いろいろな性別、ターゲットに対して具体的な利用シーンや利用メリットを見せる計8本のクリエイティブを制作。20~30代女性向けにはパンプスやバッグを取り上げ、20~30代男性にはゴルフのパッドを見せるなど、非常に設計の細かいテレビシリーズとなりました。

実は、この4年間で当社のテレビCMのターゲットは徐々に変化しています。当初は20~30代女性が主なターゲットでしたが、直近では「特定の趣味のある中高年男性」に設定しています。それはまだまだ男性ユーザーが少ないから。ターゲットは今後も時期やキャンペーンによって変えていこうと考えています。2017年に入ってから制作したCMでは有吉弘行さんをはじめとする男性お笑い芸人を中心にテレビCMに起用し、取り上げるアイテムもゴルフバッグやサーフボードなど、新品で購入するには高額な趣味のグッズを盛り込むよう意識しています。


クリエイティブとの相性でメディア枠を選定、音と絵も最適化

TVisionのソリューションを利用したことで、バイイング、クリエイティブのそれぞれに大きな気づきがありました。

バイイングにおいては、当社のテレビCMと相性がよくない枠がわかるようになりました。どのテレビ局のどの枠に、どんな視聴者がいて、いつ画面に注目しているかがデータで一目瞭然になりました。そのデータを見てからは、相性がよくダウンロード数が伸びやすい、いわゆる逆L字(全曜日の19時以降および土・日の日中)に集中的に出稿するようになりました。

効果の出やすいジャンルがわかってきたのも、収穫でした。TVisionではバラエティ、スポーツ、ドラマなどジャンル別のVI値(滞在度)とAI値(注視度)が算出できます。それを見たところ、私たちが予想していたものとは違うジャンルと相性がよいことがわかりました。

当初、クリエイティブの改善に有効ではと導入したのですが、使えば使うほど、メディアの最適化に有効だと実感しています。月間数億円単位でテレビCMを出稿していることを考えると、相性の合わない枠に出稿していた分を、データにもとづいてより適した枠へ振り分けられるようになったことは、大きな成果だと思っています。

クリエイティブに関しては、改めて音の重要性が浮き彫りになりました。インパクトの強い音やフレーズがあると、視聴者の目がテレビに集まります。例えば『メル狩り族』というテレビCMの場合、渡辺直美さんが最後に「男も使ってる!」と言うと、その瞬間に20-30代男性のAI値(注視度)が急にあがります。音が重要だということは長年当たり前のようにいわれてきたことですが、それがはっきりとデータで出て改めて意識するようになりました。

同様に絵がわりも重要です。この『メル狩り族』のシリーズは、途中で実写からアニメーションになります。どのターゲットもその瞬間にAI値がグッと高くなるのです。『ダンスで誘惑』篇で渡辺直美さんが踊りながら登場するシーンでも、AI値は大きく上がりました。

今ではこうした分析をもとに、15秒のなかで次々と絵をかえていくこと、音をどういうタイミングで使うかを重視しています。

 

アメリカでの出稿や番組の一社提供などテレビをフル活用

最近ではテレビCMを継続的に出稿しているので、CM放映前後のリフト分で獲得効率を分析するやり方では限界がきていると感じています。今後は既存ユーザーをより活性化させる訴求や、ダウンロードしたけれどまだ利用していない休眠ユーザーの掘り起こしにも力を入れていきたいと思っています。

新しい試みにも挑戦しています。2016年11月にはアメリカでテレビCMを出稿し、この時もTVisionにデータを取っていただきました。福岡のRKB毎日放送やテレビ朝日などで一社提供の番組の制作も行っています。6月からスタートしたテレビ朝日の『アツカン 〜田村淳鑑定所〜』(関東ローカル、毎週日曜21:54~22:00)というミニ番組では、放映後にゲストの思い出の品をメルカリに出品し、サービスの利用方法を印象づけています。

オンライン施策では、従来の手法に加えてInstagramerやYouTuberといったインフルエンサーの力を借りて、「メルカリを使う空気感」をより一層醸成していきたいですね。


デジタルで行われてきたことが、オフラインでもようやく可能に

TVisionを利用してよかったのは、念願だったテレビCMの最適化が実現したこと。人の動きをKinectで認識する最先端の方法で、テレビの前にほんとうに人がいるのか、誰がいるのか、目はスマホではなく画面を見ているのかという「質」の部分まで数値としてわかるようになりました。

今後はデータ取得エリアを、全国へと拡大してほしいですね。「メルカリ」は地方の利用率も高いので、そういうエリアでテレビCMや提供番組がどのように見られているのか検証できたら、より効果的なプロモーション活動の助けとなると思います。