TVision

活用事例

ソニー損害保険株式会社

安定した認知獲得が重要なダイレクト型保険。
「視聴質」の活用でテレビCMの効果を定量化する糸口が見えました。

課題

デジタル施策に比べて、テレビCMの効果を定量化するのは難しいと感じていました。

導入の決め手

3カ月のトライアルで、過去テレビCMのVI値、AI値をつぶさにチェック。テレビCMの効果検証に有効だということが実感でき、導入後の活用イメージがわきました。

導入後の効果
  • 「どの視聴者属性が」「どのテレビCMを見ているのか」が数値化され、テレビCMの効果検証をする大きな手がかりができました。
  • クリエイティブごとの数字が見えるようになったため、素材の割付に活用したいと考えています。
  • 放送局やコンテンツとの相性が見えてきたので、バイイングにも活かしたいと思っています

通販型の自動車保険を主力商品とするソニー損保。Webサイトや電話などによるダイレクト型での販売が大部分を占める。データ検証、コストの最適化が至上命題となる同社で、TVisionによる視聴質の分析をどう活用したか。メディア戦略を担う大竹弘通氏に聞いた。

ソニー損害保険株式会社 ダイレクトマーケティング部 メディアマーケティング課長 大竹 弘通(おおたけ ひろみち)氏

 

 

テレビCMにおける評価・計測の定量化とコスト最適化が最重要課題

当社は自動車保険を主力とする通販型の保険会社で保険という商品は目に見えるものではなく、中でも自動車保険は契約満期のタイミングでブランドチェンジして新規でご契約いただくケースが多いという特徴があります。お客さまひとりひとりの満期日は異なるため、いわば一年365日の毎日がブランドチェンジのタイミングといえます。

そこで重要なのが、安定的な認知の獲得。これまで属性や時間帯に合わせてたくさんのテレビCMを継続的に展開し、高い純粋想起率の維持を図ってきました。

ほぼすべてを通販型で販売している私たちにとって、マーケティングコストの最適化は至上命題です。効果検証を繰り返し、定量化できる施策に的を絞って重点的に取り組んできました。もちろんデジタル施策も数多く行っており、データや効果検証については強いこだわりがあります。

その中でも、評価・計測の定量化が難しかったのがテレビCMです。認知獲得のためにはテレビCMが不可欠ですが、あらゆるデータがつまびらかになるデジタル施策に比べ、圧倒的にデータが少ないことがボトルネックとなっていました。データがないなりにエリアごとの出稿量や出稿状況、サイト訪問やレスポンス状況を調査し、定量化に取り組んできたものの、限界を感じていました。

CM制作・出稿上でも、いくつかの課題を抱えていました

クリエイティブにおいては、CM企画をご提案いただいても、選定方法が属人的になりがちでした。もちろん工夫してはいましたが、数値的な根拠があったわけではありません。ほんとうにその選択が正しかったのかを検証するすべがありませんでした。現場担当者レベルでの知見はありましたが、ルール化されたりドキュメント化されたりしているわけではなく、暗黙知の領域でした。

バイイングについても、データはほぼ視聴率のみという状況。しかも視聴率はテレビのオン・オフはわかっても、ほんとうにテレビの前に視聴者がいるのか、ちゃんとテレビCMを見ているのかわかりません。

クリエイティブもバイイングも定量化したいという強いニーズがある中で現れたのが、TVisionのソリューションでした。

 

3カ月のトライアルで、過去テレビCMの視聴質を検証。定量的な効果検証に一役買いそうだと納得

とはいえいきなりTVisionの導入に踏み切ったわけではありません。実際にどのように活用できるのかイメージがわかず、社内に定量・定性効果を示しにくいことがネックとなりました。

そこで2017年5・6・7月と3カ月にわたってトライアルを実施。過去15本分のテレビCM について、VI値(Viewability Index=滞在度)、AI値(Attention Index=注視度)をTVisionのBIツールやCSVなどで拝見しました。

魅力的だったのは属性別の視聴質が見られたこと、同業他社や異業種のテレビCMにおけるVI値、AI値まで余すところなく拝見できたこと。そして何より自社の過去素材のデータを、自分たちでしっかり検証できたこと。こうしたことが、深い納得感につながりました。

自社の過去素材でデータを検証した結果、クリエイティブ面では主観的な判断に基づく選定基準を少し改善できそうであること、バイイング面では視聴率を基に行ってきた従来の効率計算に、VI値を加味すると効果的でありそうだということなどがわかってきました。そこで導入への社内的な合意を得ることができました。

AI値でイメージ調査とのギャップを知り、VI値を効率計算に加味

実際に導入を始めたのは、2017年9月からです。これまでお笑いコンビのくりぃむしちゅーさん、女優の唐田えりかさんを起用してきましたが、同年7月から歌舞伎俳優の松本白鸚さん、女優の内田有紀さんを起用することになったのも導入の一つのきっかけでした。

当社では、クリエイティブの検証にAI値を、バイイングの検証にVI値を用いています。

クリエイティブでは、素材ごとにAI値をチェックし、どの素材がどのように見られているかを属性別に確認しています。15秒のうち毎秒のAI値の動きは、それほど重視していません。素材別のAI値を見て、なぜこの素材はAI値が高く、こちらは低いのか要因を検証し、事前の想定や期待とのギャップを見ています。

私たちの予想とギャップが顕著だったのは、男女の差です。訴求ポイントに対する受け止め方が、男女でこれほど違うとは思っていませんでした。

当社の自動車保険のボリュームゾーンは価格メリットのある30~40代で、ともすると内田有紀さんが出演されていると男性のAI値が上がる、松本白鸚さんがメインだと年齢層高めの女性のAI値が上がるといった単純な見方をしてしまいがちですが、実際はまったく違いました。こうしたギャップの要因を、既存のイメージ調査やグループインタビュー、定性調査で得られたデータと統合して分析し、検証しています。

クリエイティブを制作する側にとって、属性による“見られ方”の違いが数値で見えるようになったのは、とても新しく、そして非常にインパクトの大きいことです。今後、クリエイティブの割付方針にも影響が出てくるかもしれません。データは、どの属性を意識して、どうクリエイティブをつくるかを論理的に考える基点となるデータになると思います。

バイイングでは、放送局別・時間帯別・属性別にVI値を確認して、従来行ってきた当社独自の効率計算に加味しています。放送局とコンテンツの掛け合わせによる相性があることもわかったので、絵柄はそのままに放送局を変えるなどの方法で積極的に活用していきたいですね。

 

テレビCMの効果の定量化を格段に進化させた視聴質データ

TVisionを利用してよかったのは、VI値、AI値という新しいデータを加味して効果検証できるようになったことで、テレビCMの効果測定の定量化がはるかに進んだことです。効率的なPDCAが可能となり、いまや私たちにとって必要不可欠のデータとなっています。

これまでやってきたテレビCMのイメージ調査は、あくまでもパネルの方々に動画を見てもらい、その後の態度変容を見るというものでした。それではイメージ調査はできても、実際テレビの前でどう見られたから、そのイメージが形成されたかまでは、わかりません。今回、視聴質データのおかげで“見られ方”が定量化でき、初めてイメージ調査の結果と“見られ方”がつながりました。素材ごとのAI値や15秒の中での属性別の動き・変化がわかることで、「“見られ方”にこれだけ差があるから、この調査結果が出たんだ」と、調査の前段階の行動を深掘りして分析することができました。

スマートフォンやタブレット端末など視聴デバイスの種類が豊富になってきたなかで、今後はテレビのみならず、デバイスやフォーマットごとにクリエイティブを最適化していかなければならないと感じています。

当社にとってテレビCMは大量に、すばやく、安定した認知を獲得する手法です。一方デジタルはその後のアクションをきっちり刈り取る場だととらえています。テレビCMとデジタルのコンバージョンの関係性については、複数のプラットフォームを通じて定量化を図るべく、いくつかのトライアルを始めています。

TVisionに期待するのは、調査パネルの、関西、中京、福岡、北海道への拡大です。「車保有者」などフラグを立ててセグメントした時にも、ある程度母数が担保できるくらいのパネルが欲しいところです。

欲を言えば、テレビCM接触後のパネルの態度変容やマルチデバイスでの検索行動・購買行動まで把握できるよう、シングルソース化できる仕組みがあるとなおいいですね。