最も視聴質が高かったのは、瀧に入れ替わった三葉の東京生活

2018年1月3日、テレビ朝日系列で映画『君の名は。』が地上波初放送されました。TVision insights(以下TVision)では『君の名は。』放映中の、毎分視聴質を計測。どのシーンで人々がテレビの前に滞在し、テレビの画面を注視していたかを解析・数値化しました。

グラフ1⃣ 毎分視聴質(個人全体)

『君の名は。』の番組全体視聴質(VI値×AI値)は2.05。年末年始のテレビ番組(2017年12月29日~2018年1月3日、関東地上波6局で19:00~24:00に放送された番組+CM)の視聴質平均(ノーム値)の 1.46と比べると、特に高い値です。
最も視聴質(VI値×AI値)が高く、たくさんの人がテレビ画面に釘づけになった(注視された)のは、瀧に入れ替わった三葉が東京の自宅に戸惑うシーン(21:20)で、視聴質2.76。次いで飛騨の図書館で名簿を見るシーン(22:02)が2.75、3番目はラストシーン(23:00、上記図表③)で2.73となりました。視聴質2位となった飛騨の図書館のシーンは、3回目のテレビCM明けから、飛騨へ向かう瀧の描写の間にぐんぐん数値を上げ(上記図表②)、22:02にピークを迎えました。

 

その他視聴質が高かったシーンは、初めて三葉と入れ替わった瀧が、鏡に映った自分の裸に驚くシーン(上記図表①、21:06)で2.44。インターネット上でも話題となった「入れ替わってる⁉」というセリフ(21:33)は2.21でした。また、22:40頃からラストシーンまでは全体の中でも特に高い値を記録しています(グラフ4⃣参照)。

 

(以下、映画の内容のネタバレを含みます。ご了承ください。)

 

10代で圧倒的な高視聴質、テーマ曲『前前前世』に釘づけ

■グラフ2⃣ 毎分視聴質(Teenと個人全体)

今回特徴的なのは、Teen(13~19才男女)の視聴質が抜群に高かったことです。上記グラフ2⃣からもわかる通り、個人全体視聴質(青ライン)と比べ、Teenの視聴質(黄ライン)のほうが格段に高い位置にあります。

 

Teenでは『君の名は。』番組全体視聴質2.71に対して、年末年始番組視聴質平均が0.95。実に約3倍です。視聴質は番組内の各所で4.0~5.0に達しており、それだけ10代の注目度が高かったことが見てとれます。

 

Teenで最も高視聴質だったのはセリフ「入れ替わってる⁉」の直後、主題歌『前前前世』に乗せて2人の入れ替わり生活がカットバックで流れる場面(21:34)。ここで5.13を記録しました。次いで「かたわれ時」のシーン(22:32)が5.11。瀧が飛騨のラーメン店を尋ねる21:58、三葉の書いたスマホの日記が消えていく22:00は、それぞれ4.79、4.73とどのシーンも高い数値を示しています。

 

また、Teenで特筆すべきはテレビCMの視聴質も高かったことです。今回、番組全体の中でテレビCMは全部で7カ所。各社、映画とのスペシャルコラボテレビCMなどを展開し、放映後も大きな話題となりました。

 

まず、21:22~24に流れた、新海監督が2014年に制作したZ会の120秒テレビCMは視聴質4.13(21:22に記録、個人全体では2.11)、21:36~37に放映されたソフトバンクの「キャストの声が入れ替わっている」60秒テレビCM(上記図表④)は3.10(21:37に記録、個人全体では1.80)と他の属性に比べて、特に高い値を示しました。また、主人公・三葉の声を演じた上白石萌音さんが出演した90秒の政府広報テレビCM(上記図表⑤、22:50~51に放映)は2.73(22:50に記録、個人全体では2.17)を記録。 通常、テレビCMは15~30秒が多いですが、3社とも60~120秒と長尺でじっくり見せるスタイルでした。映画本編とリンクさせ内容に工夫を凝らしたことも奏功したようです。

 

男女差くっきり、男性の関心の高さが浮き彫りに

グラフ3⃣ 毎分視聴質(男性・女性)

男女別では、男性の番組全体視聴質は2.36、女性の番組全体視聴質は1.72と、男性の関心度の高さがうかがえます。グラフを見ると、2時間の番組放映中のほとんどで男性のほうが高い視聴質を記録しています。特に、クライマックスの20分間は男女の間で大きな開きがありました。

 

彗星衝突シーンの視聴質は2.67。クライマックスの20分間で急上昇

今回、TVisionでは映画全体で特に視聴質の高かったクライマックスシーンについてピックアップ。22:40頃から始まる彗星落下~ラストシーンまで約20分間の視聴質の推移を見てみました。

グラフ4⃣ ラスト20分間分計拡大(個人全体)

視聴質は22:39の6回目のテレビCM明けからぐんぐん上がり、主題歌『スパークル』の始まりとともに上昇、変電所が爆発する22:41に2.18、糸守湖の電気が消えていく22:42に2.21を記録。勅使河原のセリフ「マジで……? 割れとる……!」の後、彗星が分裂する22:45には2.60に。さらに『スパークル』のサビの部分に乗せて地球へ彗星が飛んでいく22:48に2.53、22:49の彗星衝突時には2.67に達しました。7回目のテレビCMを挟んで最後に向けて急上昇し(上記図表⑥)、ラストシーンの瞬間(23:00)に2.73と全体でも3番目に高い視聴質を弾きだしました。23:01に流れた地上波初放送のために新たに新海監督が編集した特別なエンドロール(上記図表⑦)は2.41でした。

データについて

  • 視聴質を示す数値
    ・VI値(滞在度=Viewability Index)
    テレビの前に人が滞在している度合いを示す。数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長い。
    ・AI値(注視度=Attention Index)
    テレビ画面に人の顔が向いているかを示す。数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長い。
  • データの収集方法
    関東800世帯の一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだセンサーを設置し、顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、視聴者の表情、番組のどこで画面に注目したかといった視
    聴態勢を判断・計測しています。2015年6月より計測スタートし、2018年8月現在、地上波6局7チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っています。
  • 注釈
    ・本データは、毎分ごとの視聴質を計測したものです。
    ・小数点3位以下は四捨五入しています

 

TVISIONでは毎月、視聴質に関するニュースを様々な角度から発信していきますので、次回もご期待下さい。

本資料にある内容を転載、転用する場合は、下記へご連絡下さい。
広報担当
電話番号:070-1488-3702
メール:pr@tvisioninsights.com