2019年3月8日、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で映画『カメラを止めるな!』がテレビ初、完全ノーカット放送されました。TVISION INSIGHTS(以下TVISION)では『カメラを止めるな!』放映中の、毎分視聴質を計測。どのシーンで人々がテレビの前に滞在し、テレビの画面を注視していたかを分析しました。

■毎分視聴(個人全体)

 

(以下、映画の内容のネタバレを含みます。ご了承ください。)

40分“CMなし”ノーカット放送の効果は?

TVISIONの調査では、本編からCMに移る際のAIは、約20%下降するがことわかっています。
今回『カメラを止めるな!』の冒頭40分間(毎分グラフ上(1)部分)では、CMが放送されていないことも手伝って、持続的に高い注視度(AI値)を獲得しました。
滞在度(VI値)も一貫して高く、CM放送時にもテレビの前から離れずに滞在していたことが分かりました。

最も視聴質が高かったのは、助監督がゾンビになってパニックに!

 最もAI値の高かった21:17(毎分グラフ上(2)部分)は、放送開始10分を過ぎた頃。
ゾンビ映画撮影中、出演者とスタッフたちの休憩シーンから一転、ゾンビとなったカメラマンに襲い掛かられ、助監督が自らもゾンビとなってしまい、その場がパニックになった場面です。

 

2番目に視聴質が高かったのは、作品ラストの屋上撮影シーン

 再びAI値が高くなる場面は、22:50(毎分グラフ上(3)部分)に、それまでの伏線を回収するクライマックスの屋上撮影シーンです。

ゾンビとなった男優の首を斧で切り落とし、監督にも斧を振りかざす場面のため、スタッフが人形や血糊を用意する撮影裏での混乱が描かれましたが、主演女優が血まみれのままふらふらになりながら屋上を歩くラストシーンに繋がる場面でした。
途中、ラストカットのため、スタッフと出番が終わった役者のゾンビたちが人間ピラミッドを作ってクレーン撮影を再現するという、まさに製作のドタバタを乗り越え映画を素晴らしいものにしようとするスタッフと出演者の情熱が表れた感動的なシーンもありました。

『カメラを止めるな!』は、制作費300万円と言われており、当初2館のみの上映だった作品ですが、SNSの口コミで広がり、その後300館以上に上映拡大し、第42回日本アカデミー賞を8部門も受賞。編集部門では監督の上田慎一郎氏が最優秀編集賞を受賞しました。

放送時は副音声で監督と4名の出演俳優が裏話の生トークを行い、加えて番組公式Twitter・Facebook、日テレ公式YouTube、ニコニコ生放送でも生配信が行われるなど、ソーシャルメディアや動画サイトを活用した全方位での話題作りもあったことで、話題性となったと考えられます。

また、2019年1-3月クールではNHK『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』、日本テレビ系列『ザンビ』などのゾンビドラマが放映されることになり、『カメラを止めるな!』の影響があったと考えられます。

データについて

    • 視聴質を示す数値
      ・VI値(滞在度=Viewability Index)
      テレビの前に人が滞在している度合いを示す。数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長い。
      ・AI値(注視度=Attention Index)
      テレビ画面に人の顔が向いているかを示す。数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長い。

            • データの収集方法
              関東800世帯の一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだセンサーを設置し、顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、視聴者の表情、番組のどこで画面に注目したかといった視聴態勢を判断・計測しています。2015年6月より計測スタートし、2019年3月現在、地上波6局7チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っています。
            • 注釈

          ・小数点3位以下は四捨五入しています。
          ・本データは、毎分ごとの視聴質を計測したものです。

      TVISIONでは毎月、視聴質に関するニュースを様々な角度から発信していきますので、次回もご期待下さい。

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