2020/4/27掲載
TVISION INSIGHTS (以下TVISION)では、独自に計測した視聴質データを基に、視聴者がどのようなCMを注視していたかを分析しています。
今回は、調味料カテゴリーの「ブランド別 2019年CM視聴質ランキング(調味料)」を作成いたしました。
このランキングは、VI値(滞在度)とAI値(注視度)をかけあわせた「VI値×AI値」の高い順に順位づけしています。
これは専念視聴度合いを示す指標であり、数値が高いほどそのCMがより注視されていることを示します。
2019年に放送された調味料カテゴリーのCMで、最もよく見られていたのは、味の素の『コンソメ』でした。また、1位と37位のエバラ食品の『焼肉のたれ』には、38%の差があることがわかりました。
<視聴質コンサルタントによる考察>
味の素の『コンソメ』のスコアがトップであった要因としては、タイム提供での出稿割合が高く、かつ、ターゲットが注視しやすい番組での出稿ができていたことが考えられます。また、『コンソメ』のCMは、1つの素材を春・秋・冬と期間を開けて出稿していました。それぞれの期間では出稿量が多くなかったため、視聴者が飽きず、CMに対しての新鮮さを失わなかったことで、注視を得られたとも考えられます。
さらにクリエイティブ面では、親子が帰宅してから料理、その後食事をするという流れのCMの中で、コンソメをいれるだけで、簡単にスープになるという商品の機能について言及しつつ、子供が母親と一緒にコンソメをいれるシーンなどによって特にF2層(子育て世代の女性)の注視を獲得することができていました。
データについて
■視聴質を示す数値
・VI値 (滞在度=Viewability Index)
テレビが点いている際に、どれくらいTVの前に滞在しているかの度合いを示しています。数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長いことを表します。
・AI値 (注視度=Attention Index)
テレビの前に人が滞在している際に、どれくらいテレビ画面に人の顔が向いているかの度合いを示しています。数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長いことを表します。
・VI値×AI値 (専念視聴度) →本分析対象
テレビが点いている際に、どれくらいテレビ画面に人の顔が向いているかの度合いを示しています。
※VI値、AI値ともに、2016年4月から2016年9月の半年間における、放送局 (NHK/ETV/NTV/TBS/EX/TX/CX) の平均値を1.00としています。
■その他の数値
・GRP(Gross Rating Point)
TVISION推定のものを使用しています。CMが放送された時点のTVオン率をベースに集計しています。
■データの収集方法
一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだセンサーを設置し、顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、視聴者の表情、番組のどこで画面に注目したかといった視聴態勢を判断・計測しています。2015年6月より計測スタートし、2020年4月現在、地上波関東6局7チャンネル、地上波関西6局7チャンネル、MXテレビ2チャンネル、BS8局9チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っています。
- ■注釈
・集計期間は2019年1月1日~2019年12月31日です。
・期間内に1,000GRP以上放送された企業の、VI値×AI値でランキング化しています。
・集計対象CMは、集計期間における調味料カテゴリー(TVISION独自の分類)に存在するCM(タイム+スポット)です。
・タイム/スポットの区分は、エム・データ社のメタデータに準拠しています。
・小数点3位以下は四捨五入しています。
TVISIONでは毎月、視聴質に関するニュースを様々な角度から発信していきますので、次回もご期待ください。 本資料にある内容を転載・転用する場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。 |