要点
  • 東京都の記者会見後にChild,Teenの深夜帯の視聴質が高まり、朝帯の視聴質が下がった。
    休校や休園により夜更かしをして、起床が遅くなっていることが推察できる。
  • テレワークなどの外出自粛によってMF1では平日昼帯の視聴質が高まったが、MF2ではその傾向は見えなかった。子育て世代のMF2は家族の食事の用意などで平日昼にゆったりとテレビを見る時間が増えていないことが考えられる。
  • 記者会見後、MF1では「野ブタ。をプロデュース」がダントツでよく見られていた。ネットニュースなどで話題になり最終回まで放送が決まったが、視聴質観点でも熱中して見られていたことが分かった。
  • MF1、MF2では旅、MF3ではリフォームや食事に関する番組もよく見られている。

2020/6/12掲載

 
TVISION INSIGHTS (以下TVISION)では独自に取得した視聴質データを基に、2020年3月26日の東京都記者会見の前後でテレビの見られ方は変わったのかを様々な角度から分析しました。

このレポートは前編と後編に分かれています。
前編では、番組ジャンルと、ニュース番組の時間帯別視聴質の変化について分析しました。

後編では、
・生活スタイルの変化により、時間帯別のテレビ視聴態度は変わったのか?
・よく見られている番組の内容に変化があったのか?
の2つに焦点を当てていきたいと思います。
 

生活スタイルの変化でテレビの視聴行動は変わったのか?

1/20(月)~5/3(日)までの視聴質を、3/25の東京都記者会見を境に前半、後半に分けて、ステイホーム週間に入った前と後で時間帯別視聴質が属性によってどのように変化したのかを分析しました。

データの対象は民放5局の番組本編+CMです。
記者会後の属性別視聴質の伸び率が高い時間帯順に並べました。「VI値×AI値」とは専念視聴度合いを示す指標であり、数値が高いほどその時間帯にテレビの前に滞在し、画面をよく見られていることを示します。

視聴質の伸び率は、記者会見前の期間の視聴質を0%としたときの、記者会見後の期間の視聴質を%表記しています。例えば、会見前のVI値×AI値が1.00、会見後のVI値×AI値が1.15の場合、伸び率は+15%と表記されます。

 
▲ 深夜、プライム2、プライムの視聴質が高くなり、朝の視聴質が下がりました。保育施設の休園や休校で、夜更かしする子供が増えたことが考えられます。
また、登校、登園していた時間帯にあたる午前から午後の視聴質は高まっていないことが分かります。家にいるからと言って、日中はあまりテレビを見ていないことが推察されます。

 
▲ Child同様に深夜の視聴質が高まり、朝の視聴質が下がっていることから夜更かしをしてテレビを見ていることが考えられます。
Childと異なるのは、昼や午後の時間帯も視聴質が高まっている点です。
学校に行っていた時間帯に、家でテレビを見るようになったことが推察できます。

 
▲ テレワークや大学のオンライン授業などにより、平日日中の時間帯の視聴質が高まっています。
ランチタイムだけでなく、そのまま午後もテレビを見ていることが分かります。
また、プライム2や深夜などの遅い時間の質が高まり、朝の質が低くなっています。
出勤時間が無くなった影響からか、夜型人間が増えていることが推察できます。

 
▲ MF1のように、ランチタイムに視聴質が高まる傾向は見られません。
子育て世代のMF2は子供が家にいることで、食事の用意や家事などで、ランチタイムにテレビを見る余裕がなくなっている層が存在し、プラマイゼロに落ち着いたのではないかと考えられます。
プライムや土日日中など、もともと視聴質の高い時間帯でさらに視聴質が高まっています。

 
▲ 朝の視聴質が高まり、深夜の視聴質が低くなっています。これはMF3特有の変化です。
今まで朝に行っていた習慣がなくなるなど、朝にテレビを見る余裕が生じたなどが要因として考えられます。
そもそもテレビをよく見ている層ということも手伝って、他の属性と比べて視聴質の変化幅が小さい傾向があります。

 
記者会見前後でよく見られている番組は変わったのか?

続いて、記者会見前後でよく見られている番組コンテンツが変わったのか、属性別に比較しました。
1/20から3/25を記者会見前、3/26から5/3を記者会見後として、各属性VI値×AI値がトップ10の番組を一覧にしています。

【ランキング概要】

  • VI値×AI値は、番組本編+CMの平均値になります。
  • ランキング対象は民放5局です。(NHK、ETVは含みません)
  • 単発特番やレギュラー特番も含まれます。
  • 世帯視聴率が5%以上、接触人数が20人以上の放送回を対象にしております。
  • ▲ 会見後に最もよく見られていたのは「野ぶた。をプロデュース」特別篇でした。その人気から、最終話まで放送することが決定し、今後も高い視聴質が期待できます。会見前は、歌番組が3番組ランクインしていました。
    会見前、会見後ともによく見られていたのは、「今夜はナゾトレ」でした。

     
    ▲ 会見後に最もよく見られていたのは「陰陽師」でした。会見後は、土日日中に放送されていた特番が上位にランクインしていました。
    「7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート」はMF1同様にランクインしており、ステイホームが続く中で、非日常気分を味わえる旅番組はよく見られていたことがわかります。

     
    ▲ 会見前は、オリンピック選考をかけたマラソンの放送があり、視聴質が高くなりました。
    本レポートの前編に出た、番組ジャンル別視聴質の変化と連動しています。会見後は「ポツンと一軒家のリフォームスペシャル」「大改造‼劇的ビフォーアフター」「ごはんジャパン」などの、住・食に関わる番組が上位にランクインしていました。

    以上、2回にわたるステイホームにおける視聴質の変化に関する分析、いかがだったでしょうか?

    テレビのオン/オフを計測する世帯視聴率だけでなく、誰がテレビの前にいて、テレビのほうを見ているのか計測する『視聴質』を見ることで、よりリアルに近い形で視聴態度の変化を捉えることができます。

    今回、テレワークや休校休園で今まで平日の昼にテレビを見ていなかった層が見るようになったり、若年層で深夜やプライム2の視聴質が高まっていたり、新型コロナによるライフスタイルの変化がテレビ視聴行動にも影響を与えていることがわかりました。

    これからもテレビ視聴態度のトレンドレポートをリリースさせていただきますので、乞うご期待ください。

     

    ■データについて

    ・VI値 (滞在度=Viewability Index)
    テレビが点いている際に、どれくらいTVの前に滞在しているかの度合いを示しています。数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長いことを表します。

    ・AI値 (注視度=Attention Index)
    テレビの前に人が滞在している際に、どれくらいテレビ画面に人の顔が向いているかの度合いを示しています。数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長いことを表します。

    ・VI値×AI値 (専念視聴度)
    テレビが点いている際に、どれくらいテレビ画面に人の顔が向いているかの度合いを示しています。
    ※VI値、AI値ともに、2016年4月から2016年9月の半年間における、放送局 (NHK/ETV/NTV/TBS/EX/TX/CX) の平均値を1.00としています。

     
    ■データの収集方法
    一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだセンサーを設置し、顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、番組のどこで画面に注目したかといった視聴態勢を判断・計測しています。2015年6月より計測スタートし、2020年6月現在、地上波関東6局7チャンネル、地上波関西6局7チャンネル、MXテレビ2チャンネル、BS8局9チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っています。

     

    • ■注釈
      ・VI値×AI値が同じ値の場合は、小数点第3位で順位をつけています。
      ・小数点3位以下は四捨五入しています。
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    TVISIONでは毎月、視聴質に関するニュースを様々な角度から発信していきますので、次回もご期待ください。
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